2023.01.16
令和4年12月5日から8日に福山市医師会看護専門学校の看護学生の皆さんが「総合介護施設ありがとう」に実習に来てくださいました。
介護施設を利用する高齢者とのコミュニケーションを図ることや、介護保険サービスを利用しながら生活する高齢者を知ること等を実習のねらいとして、当社で運営する様々な種別の介護事業所を体験されました。
実習を振り返り、学生の皆さんから嬉しいお声をたくさんいただきましたので共有します。
・施設のスタッフの皆さんがすごくあたたく、施設自体もアットホームな感じでとても居心地が良かったです。利用者さんも安心しているんだろうなと伝わってきました。利用者さんの好きなことや残存機能を活かした機能訓練やレクリエーションが考えられており、個別性を大事にしているんだなと感じました。
・デイサービスの見学では、認知症予防のための「ありがとう日記」というのを利用者さんに書いてもらう試みはとても勉強になりました。認知症になると自分の名前を書くことも難しくなるため、今日のことを思い出すきっかけとなる日記は認知症の方もそうでない方にもとても効果的なものであると思いました。また、スタッフの方から認知症の方は話の内容があっちこっちに飛んでいき嚙み合わないこともあると思うけど、笑顔で傾聴する姿勢が大切であると言われていました。「もの盗られ妄想」などが起きることもあり、そのようなときは、利用者さんが周りが見えなくなってしまっているので「いつ気になられたんですか?」「どこに置いておられたんですか?」と、一緒に探し始めたら収集がつかなくなるため、気分を変えてもらうように「外のお花を見に行ってみましょうか」「このぬり絵お上手ですね」などと話題を変えていくようにするとのことでした。まだ、「もの盗られ妄想」のある利用者さんに出会ったことはないですが、今日学んだことを活かせるようにしていきたいと思いました。
・急変する人は少ないけれど、朝や昼食後のバイタル測定をし、健康管理をしていると知れました。また、血圧によって入浴や運動を控える目安にしていると知れ、個人の意見を尊重して相談することもあると知り、その人の意見を大事にしていると感じました。リハビリをしにきているということもあり、みんな真剣だったのがとても印象的でした。積極的で、みんな生き生きとしていました。また、利用者同士での会話も弾んでおり、学校のような雰囲気だと感じました。看護師や介護職員の方が周りをすごく見ていると感じました。飲水はどれくらいか、尿量を確認し促す必要があるか等を考えて行動しており、1階も2階もある大規模デイサービスで人数も多いのに凄いと感じました。手先を使って細かい物を作ったりして、認知症予防をしていることも分かり、割と好きなことをご利用者ごとに取り組んでおられ自由な印象を受けました。
・基本的に、どこの施設も朝、運動前後、風呂前後、食事前後にバイタル測定を行い、一人ひとりの管理が適切に行われていました。また、歩行介助の際に手を組んで歩くとかえって歩きにくくなってしまうため、手を軽く添えるだけにすることや、目線を上げて転倒予防と猫背の予防をするために背すじを伸ばして歩いてもらうよう声掛けをすること、体温調節管理として、服を何枚も着ている方や風呂上がりの方には暑いので服を1枚脱ぎませんか?と声掛けをするなど、きめ細やかな介護技術を学ぶことができました。
・リハビリをするためのデイサービスなだけあって、プログラムがみっちりトレーニングで組まれており、自由参加だけど利用者の皆さん積極的にトレーニングのスペースに自ら向かっていてとても意欲的だなと感じました。個別機能訓練は、一人ひとりに目標が立てられており、「孫に読み聞かせをすることができる」や「忘れずに書き続けることができる」等、個別性の重視された目標の設定が行われていました。席を少しでも離れそうな方がいたらそこに寄り添い声掛けをして用事を確認したら一緒に行動したり、立位でのトレーニングのときは、利用者の背後に立つことで転倒を予防していました。手先の動きは認知症の進行予防になるので、デイサービスでは手芸を行うときに子供が作るようなものではなく、少し難しいものを選んでいるということが分かりました。
・ありがとうデイサービスでは、主に認知症予防をするためのケアが行われていました。木造施設に利用者が9名来所しており、朝のバイタル測定の後は広告チラシを見たり、ぬり絵をしたり、都道府県の名前を書いたり、スケジュールが組まれているわけではなく利用者さんが好きに過ごされている印象を受けました。認知症予防のプリントは利用者さんの認知症認知症度合いによって難易度の幅が設けられていました。利用者さんにはそれぞれケアマネージャーさんが担当としてついており、生活機能を向上させるような長期の目標が設定されていました。リハビリセンターでは、たくさんの利用者さんがおり、2階建てであるため1階チームと2階チームの2チーム構成となっていました。リハビリセンターを利用されている方は活動量がとても多いメニューを軽々こなしており、中には汗をかきながらバイクマシンに取り組む方もおられました。午前と午後のメニューを終えた後は頭の体操として、健康に関する選択問題を職員からご利用者に出すなどして心身共に健康に近づける取り組みがされていることが分かりました。
当社が、開設当時から意識している「個別性」や「尊厳の保持」、「ご利用者主体のケア」等について、学生の皆さまに肌で感じていただくことができ、最新の介護現場の働き方や仕事内容の基本的な部分について理解していただけたのではないかと思います。実習に来て下さった皆さん、本当にお疲れ様でした。また、ありがとうございました。
私たちは、若い学生の皆さんが「介護現場に触れる機会」を増やしていきたいと思っています。「総合介護施設ありがとうに実習をお願いしたい」であったり、「フィールドスタディーを通して介護への理解を深めたい」など、ご要望を随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡をいただければと思います。
2025年には、全国で32万人の介護職員が不足し、ケアを必要とする高齢者が増え続けることによって、高品質なサービスを提供できる事業所が少なくなることが容易に想像できますが、人手不足は介護事業所の経営難を招き、高齢者にとっても事業所選びの選択肢が狭まる不利益をもたらしてしまいます。若い世代が介護業界を働き先に選ばない理由は、労働環境が厳しいという過去のイメージが残っていることも理由の一つにあると思いますが、介護業界に触れるキッカケが足りないことも挙げられると思っています。
将来の介護を守っていくためには、若い世代の力が必要不可欠です。そのために、「介護の仕事に少しでも興味を持ってもらう」ための機会創出を行い、取り組みの輪を広げていくことが大切だと思っています。
株式会社サービスでは、実習をはじめ、介護への理解を深めたい学生の皆さまを歓迎いたしますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
株式会社QOLサービス
総合介護施設ありがとう
TEL:084-948-0439(担当:中藤、小川)
URL:https://www.qolservice.co.jp/
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